悲しい結末の場合
素敵な夜で始まった一瞬の恋愛が、悲しい結末で終わった場合のことを思う。
例えば、男が女を悲しませたり、傷つけたり、怯えさせてしまって、物語が強制終了してしまった場合。
男と女に残るのはどんな感情だろうか。
男には、喪失感が残っている。
思い出が深まる前だったから、すぐに上書きできてしまいそうな薄さが辛いだろう。
どうしてこうなってしまったんだろうと、自分を責める気持ちが溢れて止まらない瞬間があるかもしれない。
その前の日常に戻って、これが本当の姿だと思うと、いままでに戻っただけだという思いの反面、なにが真実かもはやわからない感覚にさいなまれる。
自分がよくわからない時間、自分を責める時間を通りすぎたら、どんな自分になってしまうのだろうか。
そういう意味で、不安で後悔の募る年末を過ごすのだろう。
2020年12月27日